歯周病とは?

口の中には約400種類の細菌が住んでいます。歯周病に引き起こす菌もこの400種類の中に存在します。

その中で歯周病をひき起こす細菌は、ポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテーラ・インターメディア、アクチノバシラス・アクチノマイセテムコミタンスなど10種類以上がわかっています。

これらは普段あまり悪さをしませんが、ブラッシングが不十分で、磨き残し(これを歯垢と言います)があると、歯茎が炎症を起こします。

この状態を歯肉炎と呼びます。


歯垢1mgの中には10億個の細菌が住みついていると言われています。この時点では、骨の吸収は見られません。

そしてこの歯肉炎をそのままにしておくと、その磨き残し(歯垢)が唾液中のカルシウムと反応し、歯石に変化します。

何年もそのままの状態が続くと、歯茎に炎症が起きるだけではなく、歯を支えている骨(歯槽骨)が吸収されていきます。

これが歯周病です。


歯周病は

①自覚症状がなく進行する(サイレントキラーと呼ばれています)

②一度吸収した骨は治療をしても、回復しない(基本的には)

という2つの大きな特徴が有ります。


図:GC発行患者説明用資料より引用

歯周病治療

歯周病の治療は大きく3つに分けられます。

プラークコントロール

歯周病の原因は歯垢・歯石です。

この内、歯ブラシで除去出来る「歯垢」を患者さんに毎日ご自宅で除去してもらいます。

これは、やってみると意外と難しいですが、これが達成されないと歯周病は治りません。

SRP

SRPとは、歯周治療を担当する歯科衛生士が特殊な器具を使用し、歯ブラシでは除去出来ない硬くなった磨き残し「歯石」を除去する事です。

外科処置

プラークコントロールやSRPを行っても改善しない部位に対し歯茎を切開して、歯石を除去したり、骨を再生させる時に行います。


患者さん自らが行う「プラークコントロール」、歯科衛生士が行う「SRP」、この2つが高い水準で行われた時のみ、歯周病は寛解に向かいます。

そして、歯周治療の特徴の一つとして、治療期間が少し長くなります。

治療期間は重症度によって違いがありますが、最低4ヶ月〜6ヶ月の期間を必要とします。

その間、不安な事や気になる事はいつでも気兼ねなく、担当歯科衛生士や担当歯科医師にご相談下さい。

私達は、常に患者さんの気持ちに寄り添いながら治療に従事しております。

歯周病の特徴

  • 朝起きた時、口の中がネバネバする。
  • ブラッシング時に出血する。
  • 口臭が気になる。
  • 歯肉がむずがゆい、痛い。
  • 歯肉が赤く腫れている。
    (健康的な歯肉はピンク色でひきしまっている)
  • かたい物が噛みにくい。
  • 歯が長くなったような気がする。
  • 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。

再生治療

歯周病は歯を支えている骨(歯槽骨)が吸収してしまう病気です。

1度失った歯槽骨は歯周治療を行っても、基本回復しません。

しかし近年歯科会でも再生医療が進み、程度にもよりますが失った骨を再生させる事が可能になってきました。

歯周治療を適切に行った後、骨吸収が残存している部分に、再生療法を検討します。

流れとしては、

①麻酔をして、歯茎の切開する
②骨が吸収している部分の歯根に再生材料(成長因子)を塗る
③歯茎を閉じて縫う

となります。

*成長因子には2種類有ります
 ・無菌豚の歯胚から取り出したタンパク質
 ・遺伝子組換え技術により大腸菌を用いて製造したヒト塩基性線維芽細胞増殖因子


術後は極力、処置を行った歯では食事をしない等、安静に(1,2ヶ月)しておくと、数ヶ月〜1年かけて骨は再生していきます。

少しでも良い状態で歯を保存する事は、長期的な安定につながります。


手術前                            手術1年後

・緑のラインが骨の上縁
・術前は緑のラインと歯根の間は黒みが強く、骨が吸収している
・術後は術前の黒みが強い部分がなくなり、再生が得られている

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