日々治療に従事しておりますと、歯医者を「歯の痛みを取る場所」「虫歯を治す場所」とお考えになっている方が多くいらっしゃる様に感じます。
確かに、それも大きな通院目的の一つだと思いますが、私は歯医者に通院して頂く最大の目的は、抜いてしまったら二度と生えてこない、削ってしまったら元には戻らない、この唯一無二の「歯」を1本でも多く残し、健康な口腔内を維持する事だと捉えております。
原因は、
の3つが大部分を占めています。
中でも最も多い原因は歯周病であり日本人の歯の喪失理由の半数以上を占めます。
気付かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、原因の中に「加齢」という文字は有りません。
実は、加齢で歯を失うことは無く、年を重ねる間に歯周病や虫歯に罹患し、徐々に力のバランスが崩れ多くの歯を失っているのです。
そこからひもとくと、”3つの原因に対するリスクをしっかりコントロールする事によって、歯は守られる”ということが分かります。
そのリスクは知恵の輪の様に複雑に絡まっている事が多く、1人1人違ったリスクのコントロールをしていかなくてはなりません。
ですので、患者様ごとにその病態をしっかり把握し、正確な診断を下し、適切な治療を行い、注意深くメインテナンスをしていく事が重要であり、その結果「歯」はかなりの確率で生涯にわたり口の中で活躍してくれます。
歯周病で無くしてしまった骨は、治療しても回復しません。しかし、再生医療が進み失った骨を再生する事が可能です。
少しでも良い状態で歯を保存する事は、長期的な安定につながります。
歯周病は歯を支えている骨(歯槽骨)が吸収してしまう病気です。
1度失った歯槽骨は歯周治療を行っても、基本回復しません。
骨が吸収した部分は歯周病菌の繁殖の温床となってしまい、歯周病が更に悪化していまい、悪循環になってしまいます。
現在は、再生医療が進み、程度によりますが、骨を再生させる事ができます。
無菌豚の歯の卵から採取したタンパク質を使用する事によって再生させる事ができます。
一見、治療終了は通院のゴールのように見えますが、「歯を守る」という視点から見ると、そこがスタートなのです!
そして1日でも長く質の高い食生活を営めるよう、歯を守る場所として当院を利用して頂ければ幸いです。
楽しい食生活を営める喜びを共有出来き、診療の先に人としての関わりが見える病院で有り続けたいと考えております。
コミュニケーションに重きを置いて診療をしておりますので、何でもご相談下さい。